映画 ダスティン・ホフマンの「カルテット!
映画 ダスティン・ホフマンの「カルテット!
ダスティン・ホフマンの「カルテット!・・・」
5月某日。久しぶりに日比谷シャンテで映画を観た。
作る人も観る人も高齢化・老齢化時代だと実感した。
ストーマとか人工肛門と言うと日本では渡哲也が言われるが、
いまや渡哲也も高齢者。映画も高齢化時代だ。
ハリウッドにも障害のある俳優がいるかもしれないが詳しくは知らない。
映画もDVDで見る事は出来るがやはり映画館で見るものとは別物である、と思った。
カルテット!・・・は「卒業」のダスティン・ホフマンが70なかばを過ぎて作った映画だ。
「カルテット!人生のオペラハウス」というこの映画の内容は高齢者ばかり登場するコメディ。
従って登場人物もあっちこっちが悪くなった老人ばかりである。
ダスティン・ホフマンの初監督作品だという。
さすがに観客の9割以上、ほとんどが女性の元気な高齢者。
どこへ行っても元気な女性の高齢者がいる。
随所で忍び笑いも聞こえ、面白い映画だった。
ダスティン・ホフマン(1937年)は「卒業」以来アメリカの大スター。
個人的にはスティーヴ・マックィーンと競演したパピヨンが面白かった。
1973年公開のパピヨンでは36歳で老人役を演じていたが
ダスティン・ホフマンも見れるかと思ったが
彼は「カルテット!」に俳優としては出演していない。
出演者は全員70代の英国における叙勲者だが
皆、かっこいい高齢者を演じている。
ジーン:マギー・スミス(1934年生・大英帝国勲章)
レジー:トム・コートネイ(1937年生・ナイト)
ウィルフ:ビリー・コノリー(1942年生・大英帝国勲章)
シシー:ポーリーン・コリンズ(1940年生・大英帝国勲章)
セドリック:マイケル・ガンボン(1940年生・ナイト爵)
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イギリス独特の森と風景を背景に建つお城のようなビーチャム・ハウス。
ビーチャム・ハウスは音楽家だけが入居できる老人ホームらしい。
ここで暮らす元オペラ歌手たちが復活コンサートの計画を進めるお話。
ハウスのおじいちゃん・おばあちゃんは、全員が元音楽家。
ところがこのビーチャム・ハウスが存続の危機に迫られている。
そこで、かつては一流のオペラ・カルテット(四重唱)を組んでいたメンバーが
資金集めのコンサートを計画することになる。
生真面目な音楽家、痴ほう症がはじまったおばあちゃん、やんちゃなおじいちゃんたち。
コンサート実現へ向けて、史上最高のカルテットと言われていた4人の人間模様を
ダスティ・ホフマンが軽妙に神妙に描く。
隠れて酒を飲むウィルフ(ビリー・コノリー)が咎められると
「飲んでても飲んでなくても年寄りは酔っ払いのようなもんだよ」
この台詞、まったくその通り、よく言えてる。
頂点を極めた芸術家たちの終焉をウイットと共に華やか描くコメディだったが
ステージにゆっくり幕が下りるラストシーンが印象的だった・・・
美しい人生賛歌である。
誰かに喜ばれる人生は素晴らしい事だ、
誰かの役に立ちながら人生の幕を閉じたいものだ。
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